錦鯉日記 その58 濾過槽って何時洗うの?

元気ですか~!。

新潟は寒暖差が激しく、数日おきに気温が大きく変わり、晴天で日中の気温が30度近くに上がっても夜は暖房が手放せない様な状況です。

私も新潟は長いですが、こんな春は初めての様な気がします。
今春は雪消えが早く、野池作業も順調で仔採りも早く出来るかと思っておりましたが、ここの処は寒い日が続いており野池の水温も今一つ上がりきりません。

皆さんの地域はどうでしょう?
こんな時期は、鯉の餌やりも控えめにし、夕方の給餌は止めるのが安全です。
鯉は餌を欲しがりますが、本格的な給餌は水温が安定してからにしましょうね。

さて、たまにお客様から濾過槽は何時洗うのが適切なのか?と質問を受ける事が有ります。
今回は温度調節をされていない外池等で四季を通じて錦鯉の飼育をされている方に対して説明したいと思います。

濾過槽を掃除される時は水温が安定して18度以上あるという事が大切です。
何故かというと飼育水を浄化してくれる硝化バクテリアが活発に活動してくれる水温域が18度以上だからです。
濾過槽を洗うという事は良い硝化バクテリアも洗い流してしまいます。
皆さんもご存知のようにカルキの様な消毒作用のあるものが含まれる水道水で洗うのはよくありません。
良い硝化バクテリアを洗い流すだけではなく、殺してしまう事にもなります。
井戸水や、水量の多い池の場合は飼育池の水をポンプなどでくみ上げて洗ってあげるのがベストです。

水道水で洗った時と、それ以外の水で洗った時の差は洗浄後の水の立ち上がりの速さに差が出ます。
水温が18度以上必要だと言ったのも、洗浄後に再び硝化バクテリアが増殖する時に水温が必要だからです。

故に、濾過槽を洗う時期としては水温の低い冬期間はダメだという事ですね。
錦鯉の飼育尾数、給餌の量などにもよりますが、一般的には年2回、水温が安定して18度以上を保たれる春と夏、もしくは夏と越冬を迎える前の秋、この年2回が基本と言えると思います。

鯉を大きくしようと餌をバンバン与える方は、飼育水の状態を見ながら夏場に2回、餌止めをする前の秋に1回の年3回程度がお薦めです。

ここで注意点が有ります。
手間を惜しまない方で濾過槽を1か月に1回などという頻度で洗浄する方もおられますが、安定して鯉の健康状態を保ちながら飼育したい場合は逆効果になる場合が有ります。

濾過槽を洗浄するという事は確実に硝化バクテリアの数が一時的に激減します。
硝化バクテリアには飼育水を綺麗にする作用だけではなく、悪玉菌を退治してくれたり鯉の免疫能力を高めてくれる役目も有ります。

硝化バクテリアの数が減ると飼育水が安定しません。
濾過槽を洗った後は、二日程は餌を切るのも重要です。

大きくしたい方は特に給餌量が多い事と思います。
濾過槽の汚れも早いでしょう。
この場合、濾過槽を頻繁に洗うのではなく、日々の換水方法を工夫すると良いと思います。

夏場は井戸水などを常に注水されている場合、常に注水するという事を止め、夕方にドンっと水を捨て、捨てた分だけ給水すると言った方法が良いと思います。
汚れの濃度が高まっている飼育水を捨てた分だけ新水を補充するという方法が常に給水しているよりも汚れの濃度が下がり、濾過槽への負担も軽減されます。

熱帯魚飼育で早く大きくしたい時もこの換水方法が主流ですね。
池は水槽と違い水量も多い事から井戸水など豊富な量が有る水源が無いとダメですが。。。
水が有る方は、1日5分の1~3分の1程度の水替えを行うのが良いでしょう。
給餌の最盛期には、たまに半分程度飼育水を一気に水替えするという方法もお薦めです。
真夏の水温がかなり高くなっている時は水替えの量を増やすのが良いです。
夏バテ気味の鯉の活性も爆上がりします。
鯉の代謝が上がっている時期は大量の換水も良い刺激になります。

大体こんな感じですが、分かり易い説明だったでしょうか?
以前のブログにも書きましたが、井戸水や山水は常に同じ水質ではないというところも注意しながら行って下さい。
個別相談もお受けしておりますので、何時でもお問い合わせ下さい。

近いうちに連休中にお客様の預かり鯉を野池に放した動画などをブログ内で公開したいと思っております。
お楽しみに。

ではまた次回で。