錦鯉日記 その53 エラめくれの処置。

元気ですか~!

夜も遅いので手短にお伝え致します。

本日、鯉の撮影中にタライに揚げるとエラの先が少しめくれた鯉を発見しました。
お客様から電話、メールでお問い合わせを受ける病魚相談などでも、たまに処置法を聞かれる事も有りました。

電話や文字にしてお伝えしている時は正確に理解して頂いているかな?と少し不安になる事も有ります。
さてそこで、本日は処置をした鯉の写真を撮りましたのでご覧下さい。
本当は水温が低い時には処置しないのですが。。。

大体の場合、エラ蓋の薄い部分がめくれ上がるという事例がほとんどです。
エラの硬い部分がめくれている場合は奇形なので処置の方法が有りません。

うすいエラがめくれた場合、多くのお客様は硬いエラに沿って切除してしまうのがほとんどだと思います。

しかしその方法は完治まで長く掛かり、特に大きな鯉は見た目に分からなくなる様な完治も難しい事と思います。

うすいエラ蓋を切除するのではなく、めくれ始めている薄いエラの部分から写真の様に切れ込みを入れてあげるのが正解です。

5~6か所、切れ込みを入れてあげると良いでしょう。
鼻毛を切る、先の丸まった小さなハサミで行うのが鯉を傷付けなくて良いと思います。

処置をする時期としては、冬場の水温が低い時ではなく、完全に越冬から明けた頃からが良いでしょう。
水温が18度以上ある時に処置をすると完治するまでアッという間です。

エラめくれの原因としては、水質の悪化時、酸素量の不足、薬浴時などです。
鯉は全て同じだと思っているかもしれませんが、中には薬浴に弱い鯉もおります。
この鯉も、そんな中の一本でした。
私は強い薬浴はしませんが、それでもこの鯉にとっては嫌だったようです。
実はこの鯉、孔雀なのですが、メラニン色素の少ない黄色味が特に強い同腹の中でも少し特異な鯉だったのです。
サイズも同じ野池から揚った鯉の中では一回り小さな鯉でしたので、性が少し弱いのかもしれません。

今春は小ぶりなサイズの2歳を立てる野池立て企画4の池に入れてあげる予定でしたが。。。

話がそれましたが、また別の問題で飼育中に手ヒレの一部が根本の方からザックリ切れてしまった場合は、そのままにしておくとなかなか治りませんよね。
それは鯉が泳ぐときに、その切れてしまった部分に水の抵抗が集中してしまうからです。
こういう場合は、手ヒレってご存じの様に扇子の骨の様に間に細い骨が沢山入っていますね。

その細い骨に沿って、わざと3~4か所、薄い部分に切れ込みを入れてあげて下さい。
最初に手が割れた深さと同様にです。
手ヒレを割る時は、爪で簡単に割れます。
手ヒレが割れている部分を複数にする事で、水の抵抗が分散され、気付かない内に2か月も有れば綺麗に治ってしまいます。

しかし、これは手ヒレの根元の近くまで深く割れた時の処置で、手ヒレの割れが浅い場合は、そのまま自然治癒を待ちましょう。

この処置は、手ヒレだけに限らず尾ひれが割れた時も有効です。
昔は、糸で縫い付けたりした時代も有りましたが、そんな処置は馬鹿げています。

*全ての処置は水温が18度以上ある時にして下さいね。
エラの処置に関しては、1度で癖が治らない場合は、2度3度と行って下さい。
私共は今迄、この方法で治しておりますが、お客様が処置する場合は自己責任でお願い致します。

上記の処置をする場合、麻酔などを使用する必要はありません。
鯉を触る時は怖がってはいけません。
怖がって触ると鯉は暴れます。

ご不明な点等ありましたら何時でもお問い合わせ下さい。

ではまた次回に。