錦鯉日記 その52 そろそろ薬浴。

元気ですか~!

巷は3連休のようですね。
私共には関係ありませんが。。。

毎日、なんだかんだと忙しくしておりますが、それでも夏場に比べると、まだ時間的な余裕は有ります。
一週間に一度ぐらいは休みたいと思うのですが、それでも1日、完全に休むというのは稀ですね。
おっと、労基がこのブログを見るとチェックが入りそうですが、私は社員ではないのでね。
自己責任です。

さて、本題ですが。
今年の冬は雪国新潟でも明らかに消雪、暖冬です。
お客様と電話でお話している時も全国的に暖かい様で、鯉は通常の冬よりも動き出すのが早いとお聞きしています。

私共の新潟越冬ハウスは、完全に常温飼育でボイラーなどは一切使用しておりません。
現在は水温が8℃位迄上がって来ております。

鯉はいつもお伝えしている様に体内時計を持っており、水温は変わらずとも季節の移り変わりを知っており2月の後半ともなりますと、越冬させていた鯉も動き出します。

もう少し詳しく言うと、鯉は変温動物で体温と水温は同じになると考えて良いと思いますが、真冬の越冬ど真ん中の8℃と春の匂いを感じる時期の8℃では明らかに鯉の動きが違います。
水温だけで、鯉の代謝を考えるのは違うと思うのです。
鯉は機械的な生き物ではありません。
特に四季を通じて錦鯉飼育をされている方は感じていると思いますが、水温と代謝の関係は水温だけに比例するものではなく、季節によってのスイッチの切り替わりが有ると思うのです。

皆さんの地域では通常でも外池の水温が10度を超えているというのも普通でしょう。
水量が少ない池、水槽ですと外気温の影響は更に受けやすくなり、春の陽気が二日も続くと水温がかなり上昇すると思います。

今年は通年と違い、気温の上昇下降が極端です。
ここで一つ注意して頂きたいのが、水温が高い日が続き鯉の動きが活発になったとしても、今年は早めに餌を与え始めようとしないで下さい。

急ぐのは禁物です。
上記で言った様に、水温の高低に関わらず、季節によって代謝に違いが有ります。
水温が18度あるからといって、その時、普通の鯉の餌を与えると後に問題が出やすくなります。

一番安全なのは、水温に関係なく3月の末頃から徐々に餌慣らしをして行くというのが鯉を殺さない秘訣です。

越冬中に鯉は痩せなくても、春を感じて体内時計のスイッチが切り替わると、目に見えて鯉が痩せて来たりします。
でもそれが普通で、それで良いのです。

そこで焦って餌を与えると、消化不良からエラ病に陥るという事が多々あります。
死にますよ!
お客様とお話ししていると、春に鯉を殺してしまう方が多いのは事実です!

最近、お客様からよく聞く相談が、今の時期になって鯉がローリングして体をこすりつける行動が始まったという事です。

水面からジャンプする行動はいかり虫や、ウオジラミなどの目に見える大きさの寄生虫を疑って下さい。
ジャンプをする行動というのは、体表に付いた寄生虫を水面に体を叩きつけて落とそうとしている行動です。

ジャンプはしないけれど池の中で体をこすりつける行動では、一番考えられるのが今の時期ですとトリコジナです。

トリコジナは常駐菌で無菌状態で飼育していない限り、常に生息している菌です。
越冬中に鯉の体が一部分、特に肩口に白い幕が付く事を経験されている方は多いと思います。
越冬中あるあるです。

トリコジナが付いている、と聞いてギョッとしないで下さい。
普通です。良いバクテリアと共に常に生息しています。

常に綺麗な状態で鯉を飼育されている、あなたの飼育環境の中にも必ず常駐しています。
私達業界の中では鯉が風を引いた、などと表現します。

鯉の体表に部分的に白い幕が張ったような状態です。
まさしく、人が疲れた時やストレスを多く感じ、免疫能力が下がっている時に風邪をひくのと同じ様なものです。

見た目で鯉にトリコジナの症状が出る場合も、水温が下がり代謝が落ちている越冬中、鯉の代謝が上がっていないのに水温だけが上がって行く今に時期等で、鯉の代謝が活発な春の終わりから秋などは、トリコジナが体に寄生していても症状には現れません。

当歳魚などの免疫に対しての経験値が低い鯉の場合は、重症化する場合も有りますが、2歳以上の鯉の場合、鯉を見て症状が表れていたとしても、鯉自体に元気が有れば、水温さえ上がってしまえば自然に症状は良化されます。

今の時期、鯉がローリングするのはトリコジナが原因になっている場合が多く、越冬前に目に見える寄生虫に対しての薬浴を済ませている鯉に関しては、いかり虫やウオジラミが原因になっているとは考えにくいものです。

そこでですが、今年の春は通年より鯉の越冬明けが早い様です。
水温は上がっていなくても、ここで一発、春の薬浴をしても良いと思うのです。
勿論水温が低いままですと薬の効力は下がります。
しかし、全く効かないわけではありません。

通常春の薬浴は1回で良いのですが、今年に関しては水温が18度になる前にも一度薬浴をするようにした方が良いと思います。
トリコジナに関しての薬浴は、ホルマリン、過マンガン酸カリ、ビオトーク等を使用します。

目に見える寄生虫に関しては、デミリン、マゾテン等が一般的です。
マゾテンに関しては、一時期生産中止となっておりましたが、生産が再開され業界内だけでは出回るようになって来ております。

薬に関してのお問い合わせは随時、お受けしておりますので、お問い合わせ下さい。
薬を使う場合は常に感で行わない様に!
原因を確定してから、それに合った薬を使う様に心掛けて下さい。
薬浴が鯉にとどめを刺す事も有るのです。

分からない事が多いと思います。
飼育相談に関しては随時、受け付けております。弊社とまだ取引がないお客様でに対しても対応させて頂きます。
ホームページのお問い合わせ欄からでも構いませんし、PCが苦手な方は直接お電話ください。

錦鯉飼育に同じ事ってないものですよね。
いつもと違うな、どうした方が良いのだろう?と心配されている方はご遠慮なく。

あなたの錦鯉飼育をサポートする鱗です。

では、また次回へ。