錦鯉日記 その21

元気ですか~!

ここに来て新潟は大雪でした。
十日町事務所も除雪を頑張っていて正解だったとつくづく思います。
オミクロン株が猛威を振るっている世の中です。何時だれが感染してもおかしくない状況です。
罹患された方は自分を責めず、開き直って下さいね。

今日は販売ページに迷いはしましたが0円の鯉を出品致しました。

写真でお分かりの様に片目が緋喰いになっています。

この鯉は角膜が緋でおおわれている為、片目が見えておりません。
何故それに気付いたかというと、写真撮影時でした。
丸いタライに鯉を入れ撮影するのですが、この鯉は体をタライの縁に沿って時計の反対周りにしか泳ぎません。

神経質な鯉などでタライの縁ばかり泳ぐ鯉は普通にいますが、この鯉はそれとは違う事に気付きました。

タライの中央に体をうながしても、直ぐに縁に戻り必ず時計の反対周りに泳ぎます。

なるほどと合点がいきました。
片目が見えていないのだと。

見えていない側をタライの壁に付けて守り、見えている方の目で中央のオープンスペースを確認しているのです。

しかし、これは単独になった時の行動で混泳させている蓄養池に戻すと別に池の縁ばかり泳いでいるわけではありません。

普通に(若干成長は遅いけれど)成長している事から餌もきちんと獲れているのでしょう。

この鯉の様な例の他にも鯉を上から見ている場合、体を傾けて泳いでいる鯉を見付ける時があります。
両目が見えている場合、視野が広い為、私を確認するときは上目づかいにするだけで確認できますが、片目しか見えない鯉は視野が狭くなっている為、私を確認するためには体を傾けて見なければならないのでしょう。

この件に限らず、鯉を観察していると、ふと見えて来ることが有ります。
ここで言う見えて来るとは理解するという事です。

ここで一つ、沢山の鯉が入っている池の観察をする時のコツを伝授します。
池のあちらこちらに目を巡らせてはいけません。
鯉を目で追う事もバツです。池の一点に目を止め、そこに泳いでくる鯉を見る事です。

その中で違和感を持った鯉を見付けた時に初めて、その鯉を目で追います。

これは鯉ハントに行かれた時にも大いに役立ちますよ。
上級者の方は池の一点を見つめていますが、初心者の方は視線が池のあちらこちらに走ります。
一点を見つめ巡回してきた鯉をチェックして行く方がよっぽど早く良い鯉を見つける事が出来ます。

沢山入っているからと焦らなくても余裕を持って鯉を吟味する事が出来るはずです。
なるほど、と思った方。試して下さい。

商売において0円というのはダメです。
勿論この鯉にも条件が付いての0円です。
片目が見えていないというだけで、立派な観賞価値はあります。
しかし、致命的な欠陥があると分かっていながら販売は出来ません。
親にも使用できない事から私共では飼い殺しにするしかありません。

お客様に飼育して頂く方がこの鯉にとっても幸せだろうなという思いでの0円出品になりました。
ご理解頂けると幸いです。

では、また次回で。