錦鯉日記 その14 鯉の見方の注意点。

元気ですかー!

こちらも雪がやっとおさまって来ました。
腰痛も徐々に良くなって来ております。

今回は鯉を選ぶ際の注意点を一つお伝えします。
生産者でさえ気付いていない方がいますが私にとっては基本中の基本の鯉の見方です。

目が体に張り付いた銀鱗空鯉です。写真の鯉は銀鱗空鯉です。
今回はこの鯉を例にとってお話ししましょう。

私は鯉を選ぶ際、真っ先に目が行くのがその鯉の”目”です。
顔のライン、骨格に奇麗に目が収まっているか?
この目の見方で何が分かるかと言うと、その鯉の内臓の強さです。

目が出ている例としては特に人為的にジャンボにしている鯉に多く見られます。こんな事を書くとドキッとする生産者もいる事でしょうが。

いくら当歳40㎝、2歳60㎝と言っても目が出ている鯉は特別に手を掛けてやらないと出世しません。
まず、一般愛好家には設備面で無理でしょう。

私共も一部の鯉をジャンボにします。勿論、餌はバンバンに飛ばすのですが、飼育中に鯉の目が出て来たなと思えばその鯉は外し、そういう鯉が複数出る様であれば、その鯉の系統自体ジャンボにするのを止め自然飼育に切り替えます。

内臓の強さ、消化吸収能力の高さというのは系統であったり血統であったりと遺伝的な要素が強く飼育者の都合でどうにかなるものではありません。

合わせて目が出ている鯉は呼吸器系が弱いというか強くないとも言えます。
品評会などを見ても無理に大きくしている鯉は泳ぎません。
たぶん呼吸器系も弱いのでしょう。泳ぐと酸素を消費するので呼吸器系の強くない鯉は泳ぐと自分が苦しくなるので泳ぎません。
それで泳ぐ宝石と言えるでしょうか?

鯉を永く楽しみたい方、大きくなる鯉に興味のある方。鯉を選ぶ際の参考にして下さい。
いくら模様が奇麗でも目が出っ張っている鯉は長生きしないと思われます。
若い鯉であればその後の飼育で改善する事も可能ですが1、2年は覚悟して下さい。

目が顔の骨格から不必要に出ていない。健康体の鯉選びとしては重要で基本の見方です。
飼育の際もちょっと目が出て来たなと思えば思い切って餌を止めましょう。
低水温時に高タンパクの餌を与えると消化不良から目が出てくる事も有ります。
この場合は飼育者のミスで鯉の系統、血統は関係ありません。

目の奇麗な鯉ってそれだけ見ていても気持ちが良いものです。
今回はほんの一例ですが、意外と上級者でも気付いていない事がある鯉の見方でした。

ではまた次回で。