錦鯉日記 その41 乳酸菌、ご注文多数!

元気ですか~!。

今日は日曜、昨夜、長岡に戻り今朝起きると空は雲一つない晴天です。
日々、仕事に忙殺され空を見上げる事も忘れている余裕のない心持になっていた自身に視野が狭くなっている事を教えてくれた清々しい空でした。
こんな日は少しでも家族に何かしてあげれればと思うのですが。。。

 

乳酸菌の先行販売を始めましたが、お陰様で多くのご注文を頂いております。
以前のブログで越冬明けの鯉に初期の餌としてお麩を与えると良い等とお薦めしましたが、そのお麩にワンプッシュ乳酸菌を吹きかけ与えるのも効果的です。

この手の商品の難しさは、直ぐに目に見えて効果を実感出来ない事です。
皆さん共通の認識として良い効果があること自体は想像出来ます。

私のこれまでの仕事としては、錦鯉の生産だけではありません。
商業用動植物全般の繁殖、養殖に携わって来ております。

海上養殖の研究にも携わって来ており、湾内養殖の環境改善の研究にも着手した事がありました。
海上養殖の場合、同一湾内で複数種の養殖をしている所は珍しくありません。
魚貝、海苔などです。

湾内の網生け簀で稚魚から出荷サイズまで餌を与えながら育成して行く際、スレ、ストレス等から病気に罹ります。
昔、今ほど規制が厳しくなかった時代は湾内の生け簀に直接、大量の薬を投入しておりました。

湾内の網生け簀は隔離されている訳ではありませんので、投入した薬が他の養殖物に影響を与えます。
魚の病気治療に薬剤を使用すると同一湾内で養殖している貝の一部が死んだり、海苔が枯れたり。。。

当然、環境に影響を与えない薬品の開発もしますが、その新薬に対しても病原菌は耐性を持ち、養殖魚の死亡率も元の様に戻って行きます。

最終的に考えられたのは、どうしたら薬を使わなくても良い様になるか?です。
海上養殖されている養殖物は、最終的に人の口に入るものです。
人に対して安全性が担保されている物でなければなりません。
年々規制も厳しくなり、使用できなくなる薬も増える一方です。
環境に与える影響面に対しての規制も厳しくなりました。

病気治療に薬で対処して行くという方法から、どうすれば薬を使わなくてよい様になるんだろうと考える様になり、その方面の研究が進みだしました。

色んな方法が模索される中、どうしたら病気に罹り難くなるか?生体の免疫能力を上げるには?の取り組みの中で体内環境を整える事に着目したのです。

それまでは、どうすれば死亡率を抑え早く出荷サイズに育てるかを人工的に科学的にという研究が進んでいましたが、原点回帰。

養殖魚をどうすれば野生種の様に強健な生体に育てられるかに研究の方向性が変わったのです。

まず第一に養殖物に一番影響を与えている餌の改善に着手しました。
ここ迄話が長くなりましたが、そんな中、乳酸菌にもスポットライトが当たったわけです。

乳酸菌と一口に言っても種類は沢山あるのです。
一例ですが、熱、酸、塩分などに対して強い、弱いなどです。

弊社で販売している乳酸菌はそれらに対抗できる乳酸菌で一般の観賞魚用に作られた物ではなく、水産養殖用に開発された乳酸菌です。

良いとは分かっていても生産コストや手間が掛かると使用できません。
コストパフォーマンスが良く手間いらず、確実に体内に入る。
もっとも重要な点です。

与える餌の改善が進み、乳酸菌を使用する事で体内環境を整えた結果、飼料効率も上がり(同じ餌の量で生育結果がより良くなる事)稚魚の死亡率も劇的に下がりました。

目に見えて変わったのは今迄、養殖魚には見られなかった天然魚と同じ模様が体表に現れる様になった事です。
仕事柄、今迄海外を含め色んな養殖現場を見る機会があり、そこで養殖されている生体を見て来ていますが、それらを見れば大体どういう生産方法をとっているかが分かります。

乳酸菌は万能ではありません。
乳酸菌を使用する事で濾過槽を洗う必要がなくなったり、鯉が病気に全く罹らなくなるという事もありません。
やはり、飼育者が日々観察してあげるという事が重要です。

が、与え続ける事で結果的に色々な良い相乗効果がある事は確かです。
私自身も同じものを15年以上使用しておりますので効果は実感しております。

餌に乳酸菌を添付して与える事で過密飼育している池の水の透明度が上がります。
これも、相乗効果の一例です。

何時、販売されるかも分からない作り置きの商品ではなく、開封後の使用期間も定かでない曖昧な商品ではありません。
生きている事にこだわった実利の有る商品です。

菌を培養する会社も注文を受けてから培養し、パッキングします。
弊社も一度に沢山の発注をかける事はせず、出来立ての商品をお届けする事にこだわっておりますので、少しお待ちいただく事が有るかもしれません。

弊社は血筋にこだわった特徴のある錦鯉の生産をしております。
そういう商品を購入して頂いているお客様に対し、鯉の素質が開花するようお手伝いしたいと商品化致しました。

高価な商品では気軽に使用して頂けません。
利益を出したいのは当然なのですが、まずは使用して頂ける事を考え限界まで価格設定は抑えました。

少し古くなった餌にも添加し、1日置いてから与えると鯉に悪影響が出る事も抑えられます。

錦鯉飼育の常備品としてご使用いただければと思っております。
難解な文になってはと思い、なるべく専門用語の使用は控えましたが、ご質問は常時受け付けております。
何なりとお問い合わせ下さい。

では、また次回で。