元気ですかー!
私はブログをさぼっておりました。
以前のブログで水槽飼育の奨めを書きまして、その際次回は水槽の立ち上げ水作りについてお話しますと予告していたのですが、適当な水槽が見つからず、延び延びになっておりました。
取り敢えず水槽を探していると何時になるか分からないので、実践的な鯉飼育、特に初めて飼う方が殺してしまわない様な方法を時系列でお伝えしたいと思います。
*水槽のセットと水作り。
1,どういう水槽を選ぶか?
小さい水槽でも構いませんが、横幅が60㎝ぐらいの大きさは欲しい所です。
この大きさであればセット水槽がホームセンターでも熱帯魚屋さんでもどこでも安価で手に入ります。
ろ過槽は上部ろ過の様に水槽の上に置く濾過槽は必需品で、水槽の中に設置する小型のろ過装置はダメと言っておきます。
高級な密閉型のろ過装置も高額な割に使えません。
これは、水草飼育には良いですが密閉型の為、水中に溶け込んだ酸素の量でしか水を奇麗にしてくれるバクテリアが湧きません。詳しくはまたの機会に。
ろ過槽の底には必ず良いバクテリアの住処になるメインの多孔質なろ過材を使用しましょう。
これは滅多に洗いません。この上に活性炭、その上にウールマット。もしくはビニールマット、その上にウールマット。
という風に最低3層ぐらいろ過材の種類を変えて地層の様に組みましょう。
基本的に洗うのは上の2層だけです。
水温を調整するサーモとヒーターは水槽飼育の場合、必需品です。
水槽で小型の錦鯉を飼育する場合、それらは当歳か2歳でしょう。まだ人間でいえば赤ちゃんから小学生位の感覚です。
病気になった際も、一定期間水温を上げることで早く治せますし、薬の効きも良くなります。
病気治療の際の選択肢を増やす為にもセットしましょう。
熱帯魚飼育に比べて高温ではありませんし電気代もさほど上がりません。
エアレーション(ブクブク)は必ず入れましょう。
エアーストーンと空気を送るエアーポンプを購入して下さい。
上記の物が水槽飼育では必要ですが、これらすべてを含んだセット商品なども販売されております。
水槽は、メーカー、使用品質等で同じサイズの物でも価格に差が有ります。
大型水槽は別ですが、120cm以下の水槽であればさほど品質に違いはありません。
日本製が良い事は決まっておりますが、こだわる必要はありません。
書き忘れましたが、ライトもセットに含まれている商品が殆どです。
ライトも水温を上げる効果が有ります。
2,水作り。
よく飼育本などに水槽をセットしてから水を張り、1週間ぐらいは水を回しましょうと有りますが、
必要ありません。水道水のカルキを完全に抜く為に、2日あればOKです。
水作りとは鯉が糞、尿などをして汚れた水を浄化するバクテリアを湧かすという事です。
水槽に生き物がいなければ湧きません。
水を張って2日もすれば鯉を入れても問題なしです。
その後の、行動が一番重要になるのです。
新しくセットした水槽に鯉を入れる場合、水100ℓに対して普通の塩を200g入れましょう。
これは鯉の水当たり(水質の変化から起こるショック症状)を防ぐためと水の劣化を遅らせる為です。
これから最低2日は餌を与えてはいけません。
水温は通常18℃でOKですが、最初は20℃位に設定するのが良いです。
水温が少し高い方がバクテリアの発生が早いです。
しかし、水温を上げ過ぎると水中に酸素が溶け込みにくくなり、バクテリアの発生が遅くなります。
鯉の活性は上がるのに餌は与えられません。結果、早く痩せてしまいます。
3日目から餌を1日1回少量与えて下さい。
鯉は水質が悪いと怯えたりします。浮き餌だと水面まで上がって食べに来ない可能性も有ります。
沈むタイプの餌だと食い付きは良いですが、それでも食べない場合は冷凍赤虫の様な生エサを与えてみて下さい。
しかし、少量ですよ!最初からよく食べるからといって与え過ぎると水が急激に悪くなることが有ります。
一週間をめどに、あげたい気持ちを抑えて少量の餌、30秒以内で食べてしまう餌の量にして下さい。
この間、水替えは基本的にしません。
毎日、水の透明度を見ていて下さい。バクテリアが湧くまでは若干の濁りが有るはずです。
すごく濁っている場合、それは餌の与え過ぎか鯉の数が多すぎるかです。
60cmの水槽だと10~15cmの鯉が5本から10本までが最初としては良い数です。
水が出来てしまえばもっと入れる事も可能です。
逆に1本、2本など少ない場合は怯えて良い飼育が出来ません。
まめな人に多いのですが、水質検査薬を買ってアンモニア濃度、亜硝酸濃度を調べこの数値が高いと水替えをする人がいます。
しかし、これは逆効果で検査の数値が悪くてもバクテリアは湧きつつあります。
せっかくバクテリアが湧きつつある水を捨ててしまうのは遠回りをするだけで、水が出来てしまえば悪かった数値も1日、2日で解消してしまいます。
悪い数値を上げ過ぎない為にも、餌の量は控えて下さい。
水が出来て来ると薄濁りしていた水が目に見えて透明になって来ます。
こうなれば関門突破です。
徐々に餌を増やしていっても構いません。
ここまでで大体10日間ぐらい掛かると思います。
この間の水替えは濁りがひどくなった時だけ水槽の水三分の一を一回か二回ぐらいです。
完全に大丈夫となれば3,4日かけて水温を18℃ぐらいまで下げても構いません。
18℃あれば鯉は活発に泳ぎ餌を食べ、消化も問題なく出来ます。
後の水替え時は塩を加えず完全に淡水に戻しましょう。
大体お分かり頂けたでしょうか?
これが実践的な水作りで特にバクテリアなどを購入して入れなくても水作りは出来ます。
飼育は餌やりが楽しいのは皆さん共通だと思います。
鯉を見ているとついつい餌を与えたくなります。私もです。
それをグッと我慢するのが後にストレスなく鯉を飼育する最大のコツです。
私共は、秋、野池から稚魚をハウスに揚げます。大量の鯉を一池に入れるのです。
使用する蓄養池は池揚げ前に掃除をし消毒しますので勿論、バクテリアはおりません。
毎日、鯉の状態と水の状態とを睨んでいます。
水が出来るのが早いか鯉が弱るのが早いかギリギリの所で対処しています。
我々プロでも一つ間違えば大量に鯉を殺してしまう事も有るのです。
錦鯉は熱帯魚に比べて強い、飼育しやすいと言えます。しかし、負の連鎖におちいるとひどい目にあいます。
水槽飼育は私共の様に一度に大量な鯉を入れる訳ではありません。
最初のルールさえ守れば熱帯魚飼育より簡単と言えるでしょう。
負の連鎖は間違いなく飼育者が作るのですから。
長文になって来ましたので最後にします。
水作り2つ目のコツは、健康な鯉を最初に入れるという事です。これは大切です。
健康な鯉には体に良いバクテリアが付いています。
このバクテリアが種になりより早く水が出来るのです。
ファースト鯉は信頼のできる業者からの購入をお勧めします。(弊社の様な)。。。
では、最後までお読み下さり有難う御座いました。
また気付いた点などありましたら、随時お知らせします。