錦鯉日記 その38

元気ですか~!

私はまだ元気ではありません。

しかし、そんな中、生産者としてドキッとする鯉に出会えました。

何の変哲も無いですか?

私などからするとこの鯉は唯者ではない

匂いがプンプンするのです。

出来そうで出来ない。

勿論、この鯉の持つ紅質の良さが無ければ
私もここまで引き込まれませんが。

私共は生産者なので、自分が持っておきたい鯉程
販売しなければお客様に満足して頂けないと思っております。

しかし、一本ぐらいは趣味の鯉がいても許してくれるでしょ?

次にド迫力の紅白の写真を載せます。

 

 

写真が悪くて分かり難いですね。

この鯉の迫力の10%も写真に表れておりません。

本当に太く、大きい鯉なのです。
尾筒が細く写っておりますが、実物は細いどころか太いです。

奇形一歩手前か?と思うぐらい太く存在感のある鯉です。

この鯉が生け簀で泳いでいると迫力満点でビビります。

これだけ太い鯉は夏、秋と相当に喰い込んでおります。
これだけ太いと内臓に負担が掛かりそうですが、内臓も強い
鯉なのでしょう。

品評会によく出て来ている人工的に無理に大きくした鯉は
目が出ている鯉が多いのを見て下さい。

この鯉の目は頭蓋骨内に綺麗に収まっております。

本当に大きくしても良い鯉というのはこういう鯉です。

まだ若い鯉で粗さも残る鯉です。
現在はこのド迫力ボディーの為、誰が見ても良い鯉だと言ってくれるでしょう。

しかし、さかのぼって、この鯉の当歳時の姿を想像して下さい。
単純な二段模様ですよね。
当歳時にこの鯉がこの様に良い鯉になるとどれだけの人がジャッジ出来るでしょう。

生産者として何か感じるものが有ったからこそ、当歳で安く売らずにここまで育てて来たのです。

現代であっても、品評会で大賞を獲っている大型の部の鯉達の中には当歳時の模様としては大した事の無い模様の鯉も多いのです。

鯉を選択する際、プロ、アマ問わず、その人個人の持つ感性がとても大事なのです。
系統が分かっていれば、血を信じてというとらえ方も有りますが。

1枚目の写真の当歳、紅白。
この鯉が将来、多くの人を魅了する鯉になると感じてしまったのです。
私の師匠に売らない鯉は写真を撮ると死ぬと言われ、記憶に留め人に見せるなと言われ続けておりました。

その教えに従って、希望者がいれば販売します。
値段で断るかもしれませんが、師匠に筋は通ります。

私は単に、皆さんに想像力を持って錦鯉を選択して頂きたいという事でご紹介しました。
弊社の場合、例えば昭和は主力の品種です。
販売ページで埋もれ鯉をご紹介する事が有りますが、現状写真の綺麗になった鯉を購入して頂くのではなく、本来はその綺麗になる過程も楽しんで頂きたいという気持ちで出品しております。
昭和は変化を楽しむという事が一番の醍醐味だと思っております。
この部分に関しては、飼育スペースは関係ありません。

昭和に限らず、孔雀、紅白、その他の品種もです。
私共が一本一本説明文が書けるのは、販売している鯉の素性が分かっているからです。

いい加減に綺麗だからと言って、血筋の分からない親は使っておりません。
勿論、全ての鯉が良くなるわけではありません。
価格設定はお客様のリスクも考慮した上で決めております。

弊社は売れ残っているからと言って値下げは致しておりません。
最初から、限界の値段で値付けしており、プロが付ける鯉の値段は一つです。
値下げして売るぐらいなら、最初からその値下げした価格で販売しております。

皆さん、ご自分の飼育スタイルを確立し、ご自分の感性に従って錦鯉飼育を楽しんで下さいね。
弊社の鯉も数ある生産者の一つの鯉で、生産者ごとに得意分野が有ります。
ご自身の感性に合う業者、生産者とお付き合い下さい。
私共の鯉が全てだ等と言うつもりは一切ありません。

最後に師匠に従って、大きい紅白も見せてしまいましたのでご希望が有れば販売します。
高額ですが。。。

では次回で。