錦鯉 販売ページ 当歳 丹頂昭和

元気ですかー!

こちらは天気予報通り雪が積もりました。
長岡、小千谷、魚沼方面、弊社養鯉池のある十日町市等は雪が積もるのが前提なので道路に融雪パイプの設置が進んでおりますし、幹線道路も速やかに除雪隊が出動する為、交通マヒは起きにくくなっております。
意外に新潟市等、海辺の地域は雪があまり積もりません。
同じ新潟県下でも海辺、内陸では雪の量がかなり違うのですよ。
一度にドカッと雪が降ると問題が起きやすいのは積雪に慣れていない海辺の地域です。

前置きはこれぐらいにして、本題ですが今回は少しネガティブなお話かもしれません。

錦鯉の販売ページでご紹介した丹頂昭和。
その他の鯉でも、説明欄に天然模様という言葉がこれからもたびたび出てくると思います。
錦鯉 当歳 丹頂昭和何故、私があえて天然模様です!と書くかというと今、錦鯉業界では模様の整形が横行しているからなのです。

錦鯉は日本の皆さんには馴染みのない観賞魚かもしれませんが、現在では本当にワールドワイドな観賞魚になり海外での認知度の方が日本国内より遥かに高いです。
現在、日本で生産される錦鯉の90%は輸出されているのではないでしょうか。
錦鯉はクールジャパンの品目にも入っており、このコロナ禍にあっても輸出量は減っておりません。

特に丹頂の品種は海外の愛好家が日本を象徴している模様ととらえており圧倒的な人気が有ります。生産者としても最も売りやすい品種の一つです。
しかし、金魚と違いそんなに出現する模様ではありません。写真の様に天然で奇麗な丹を持った鯉は改良が進んだ現代でも希少と言えるでしょう。特に御三家と言われる紅白、大正三色、昭和三色の中では昭和の丹頂は極端に出現率が落ちます。

需要に対して供給が全く追いついておらず、一定数出現する不完全な丹頂模様の鯉をメスで整形し良い商品として販売しようと試みたのが積極的に模様を整形する様になった始まりでしょう。

体の模様も最初は飛び緋を取るぐらいだったのが本来の模様にも手を入れるようになっています。

私は整形を全否定しているのではありません、状況によっては少し処置した方が良い事も有ります。
愛好家の方がご自分の責任において整形することをだめだという気もありません。
私は一生産者として、整形された模様の良い鯉があふれている昨今、生産者がそれらの鯉を本当にプライドを持って販売できているのかという事です。
それを証拠に、錦鯉の価格は25年前と比べて最高取引価格は跳ね上がったかもしれませんが、同じレベルの模様の鯉で比べると明らかに安くなっております。

錦鯉は他の観賞魚と違い個々が唯一の個体で同じものが無いという特徴が有ります。整形された鯉であってもそれは唯一無二であることに変わりはありません。しかし、生産者が手の入った模様の鯉を販売する際、プライドを持って販売できない様になっているのではないかと心配しているのです。心のどこかに後ろめたさが有るのでは?自分の生産した鯉に対して興味を昔ほど持てなくなり、単なる商品としてだけとらえる様になってしまっているのでは?
それが現在の取引価格に反映されている様に思えます。
それら生産者も自分の心の奥にある心情に気付いていないでしょう。

昔の生産者は、昔と言っても50年も昔ではありませんが、最高の一本を作出する事に心血を注いでいましたが、最高ではなくてもレベルの高い商品を数多く”作る”事に重きを置く生産に変わっているように感じます。
勿論、現代の鯉の方が飛躍的に大型になり奇麗になっています。
しかし、模様として唯一無二としての価値が。。。

何かめんどくさい奴の話の様になって来ましたが、私はこれから会社を永く存続させる為に、人材育成が急務です。
その際、私が師匠から学んだ様に正道を伝えなければなりません。基本が有っての応用、挑戦です。

生産者業界も世代交代が進み新しい試みも増え生産する際にも何に重きを置くかの考えもどんどん変わって来ています。
しかし、利益、効率重視の生産だけを続けると錦鯉の本来持つ良さが薄れ将来的には自分の首を絞める事になると思うのです。
鯉に対する知識を蓄積していく作業にはどれだけ無駄ができるかが重要でもあります。

私は性格的に整形した鯉を販売するとなればお客様に対して後ろめたさを感じてしまいます。
自信を持った値付けも出来なくなるでしょう。
整形された模様が後に緋際が汚くなったり、模様を削った所が傷跡になって治らなかったりという鯉を多く見て来ております。

私共はいつでも純粋に錦鯉生産販売業に取り組む集団でありたいと思うのです。
自然美が一番! 見る者が見れば分かるのですから。
丹頂昭和のコメントを書いていて、ふと、こんな事を考えてしまった一日でした。