錦鯉日記 その3

元気ですかー!

ホームページを公開して、そろそろ一か月が経とうとしています。
マイクロソフト系の検索順位は結構上がって来ましたが、グーグルは未だに全くです。
そろそろ次の手を打たねばと考えている今日この頃の私です。

さて今日は、餌について少しお話ししましょう。
皆さん、餌に対して何かこだわりを持たれていますか?
ご存じない方も多いと思いますが鯉には胃がありません。食べた餌の栄養素を腸で消化吸収しなければなりません。
一般的に胃の有る魚に比べ食べてから排泄までの時間も短いのです。

故に一度にたくさんの餌を与えても栄養の吸収が追い付かず栄養価の高い糞を出すだけという事になります。
弊社ではハウスでの稚魚飼育の際、給餌機を設置し少量の餌を一日の間に数回与えます。
一度でお腹一杯にならなくても、餌の効率が上がり餌の消費量は抑えても、一日二回お腹いっぱい餌を与えるよりも確実に大きくなります。

一般の方では給餌機を付けてというのは無理が有るので、せめて消化吸収の良い餌を与える事を考えましょう。

では消化吸収の良い餌とは?
ここでは専門的な解説は省きますが、簡単に言うとEPと表示の有る餌を選びましょう。
EP加工されている餌は、すみません専門用語ですがα化されており、消化吸収に優れています。
免疫力向上も望め、健康体に育てる事が出来ます。
鯉にとって消化不良は色々な病気を引き起こす原因の一つと考えられており、この部分にこだわる餌選びは大切だと思うのです。
普通の餌は餌残しが有った場合、水に溶け込んでしまいますが、EP加工された餌は溶け込みにくい特性も有ります。
水を汚しにくいのも良い点です。

そして、浮き餌、沈み餌のどちらをやるか?
それぞれに特性が有り特別な配合の餌でない限り浮き餌はふっくらした体型になり、沈み餌はガッシリした体型に育ちます。

同じ餌でも浮きと沈みでは特性が違うという事です。
同じ餌で育てた同サイズの鯉、明らかに体重に差が出ます。
沈み餌を与えた方が魚体重は重くなります。沈み餌の方が肉質が詰まるのです。

誤解しないでほしいのですが、私は沈み餌が絶対に良いと言っているのではありません。
飼育環境、飼育状況に応じて使い分けてほしいのです。
冬期間、加温せず餌を止めて鯉を越冬させる愛好家の方は多いと思います。
浮き餌ばかり与えずに沈み餌も与えると、餌を止めた後の痩せ方に違いが出ます。肉が詰まった鯉は餌を止めても痩せにくくなります。
特に品評会などへの出品を考えていなければ、鯉が越冬に備える晩夏から秋は沈み餌の割合を増やすと良いでしょう。

大小の鯉を一池で飼育されている方、小さい鯉はどうしても食い負けしがちです。
そんな環境においても小さな鯉に合わせたサイズの沈み餌を与えると良いと思います。
鯉の口は下に付いています。本来鯉は水面の餌ではなく底に有る餌を食べる様に出来ているのです。
浮いている餌は鯉が向かって行くと逃げてしまい、空振りする事も多いでしょう。
沈み餌は全ての餌が底の壁に接しているため餌が逃げません、餌取りが下手な小さな鯉でも一回のチャンスで餌をとる事が出来ます。

水槽飼育されている横見で鯉を楽しまれている方には特にお勧めです。
本来の自然な体形の鯉に育ちますよ。

我々、生産者はハウス内で超過密飼育をしています。機械で餌を与える場合どうしても広範囲に広がり易い浮き餌を主に与えています。
私にとってこれは本意ではありません。飼育環境によってというところでの選択です。
手で餌を与える時は沈みの餌を与えています。

少し長くなりましたが餌の基本的な特性を知る事は沢山の商品が有る中でどれを選ぶかの目安になります。

簡単に書きましたが、今回の日記で餌の基本的なことが少しでも分かってもらえたでしょうか?
餌に関しては飼育日記で時折、取り上げていくつもりです。
犬や猫に与える餌にこだわりを持つ様に、鯉の餌に対しても少し考えてあげると後の飼育が楽になります。
ちょっとした気遣いの積み重ねで飼育結果は大きく変わるのです。

まだまだ書きたい事は有りますが、今回はこのへんで。
では、次回へ。