元気ですかー!
今回は予告通り、販売商品の中の一本。昭和について少し考えてみましょう。
将来の判断の難しい鯉としてご紹介しました。
何が難しいか? それはこれからの墨の変化です。
昭和は御三家の中でも先祖返りが表面に色濃く出る品種です。
写真でお分かりの様に腹下部に浅黄の様な紅が見られます。
白地に有る影墨も浅黄地の様な松葉のなごりが見て取れます。
下記、比較写真の浅黄です。
どうですか?
部分的な見方をすれば似ている事が分かってもらえると思います。
錦鯉愛好家として永い方は経験があると思います。
何年飼育しても出そうで出ない墨。
この墨がもっと黒く出そろえば良い鯉になるのになぁ~と。
今回取り上げた昭和の墨が浅黄地の墨だと断定できれば、説明文にも
この墨は出ません、影昭和がお好きな人にお勧めですと書けるのです。
浅黄の松葉が将来的にベタ黒、墨模様にならないのと同じです。
もう少し掘り下げると、浅黄地の墨を持った昭和の特徴として
白地の墨は影墨、紅の上に乗った墨はハッキリしている特徴が有ります。
しかし、ご紹介の昭和は紅の上に乗った墨がボケっとしており、
今まさに、変化の途中といった感じなのです。
浅黄地の墨を持った昭和は変化が極端に少ない特徴がある事も
付け加えておきます。
何となくこの鯉が分かって来たところで皆さんをもっと迷わせましょう。
この鯉は小さい時から比べるとお腹の紅が消えて来ています。
小さい時は浅黄の血が色濃く出ていても成長と共に薄れていく鯉もいます。
成長過程を見ていない今の鯉の姿だけを見てその鯉を判断する事は私共でも60%ぐらいでしょう。
その鯉の系統を予測でき、兄弟姉妹を一緒に見る事が出来れば90%位までは上がります。
生き物の生産、飼育、管理の基本中の基本は観察と記憶です。
センスのある人は一を見て3ぐらいは疑問を持てる人です。
錦鯉が20年、30年程の経験で分かってしまう様な生体ならば、
今頃、私は他の分野を手掛けている事でしょう。
錦鯉って深っかいよぉ~。
色々書きましたが、以上の点から変化中のこの鯉の現状判断が
難しいという事です。
あくまでも私の私見ですが、私の今までの経験から知り得た事を皆さんとも
共有出来れば、この私見を読んで何かを考えるきっかけになってくれると嬉しいです。
この様に一本の鯉を考察していくだけでも色々なとらえ方が出来ます。
ご紹介の鯉はどちらにしても良い鯉ですよ。
大きくする環境が有れば、生きていれば80cm以上になるでしょう。
小さなスペースで飼育しても完成形になるまでの変化を楽しめます。
まだまだ道半ばの者の私見でした。